開業の成否は、立地で8割が決まると言っても過言ではありません。
どんなに優秀で患者思いの人柄のドクターでも、認知され口コミが発生しなければ患者は集まってはきません。
また、ドクター自身が実践したい医療と地域の医療ニーズがマッチングしていなければ浸透する機会は薄れてしまいます。
つまりニーズを探り、ウォンツを追求していく必要があります。
診療圏調査とは、医療業界だけに関わらず、どの業態でも実施されているマーケティング(商圏調査)の一つです。
マーケティングは、開業前の場所選定から開業後の集患対策にまで全てに通じます。
診療圏調査は、立地選定を検証する上で欠かせない重要なタスクであり疎かにするべきではありません。
「されど診療圏調査、けれど診療圏調査」
診療圏調査を疎かにして開業してしまうことは、地図を持たずに航海に出てしまうのと一緒。
そして地域環境を知るべくして、地域に根を下ろすことができるのです。
診療圏内人口数×診療圏内受療率÷競合医院係数=外来予測人数
このような簡単な計算式で求められるのが一般的な診療圏調査ではありますが、弊社ではこの計算式を構成するロジックのファクトをどう紐解くかを重要と考えております。
・動線や遮断要素の確認
・競合医院の存在
・診療圏の設定
・・・など
公開されている統計データを用いて定量的・定性的なレポートをご提示しています。
巷にあふれる診療圏調査は、市販のPCシステムで機械的な作業のみで良しとしています。
あくまでも簡易的なレポートではあるので、単一的な同心円で捕捉する診療圏設定での結果測定は、距離の設定次第で良くも悪くも変わってしまいます。
たくさんの現地調査を経験してきたエムクレドの調査員は、地図を見るだけでもある程度の診療圏範囲の判断は可能です。
地図上で仮説する診療圏設定ではありますが、リアルな状況に近いレポートになります。
一番重要な競合医院の状況については、リアルタイムな情報を心がけてレポート反映しております。
現地調査を施していない診療圏調査は、あくまでも『机上の空論』でしかありません。
エムクレドは、現場主義に基づくマーケティングを重要視しており、机上の空論ではなく『地上の正論』を持って医療モールの開発を行ってきました。
そのノウハウを、クリニック開業に重要な立地選定に活用して頂けるサポートとして、現地診療圏調査(フィールドレポート)を提供しております。
現地住民の視点で、ここにクリニックがあったら便利なのか?既存患者はいまどこに通院しているのか?
既存の競合医院は、どのような医師なのか?どのような医療機器を設置しているのか?受付スタッフの対応はどうなのか?
実際に徒歩自転車・自動車で周辺ウォッチングし、そのエリアの人や交通の流れが見えてきます。
また、地域住民にヒアリングすることで、真の医療ニーズの必要性の可否を分析・検証しています。
だからこそ的確で信憑性のある診療圏を設定することができます。
そして、既存の競合医院の状況を確認することが開業戦略上、一番重要なリサーチ項目です。
エムクレドのフィールドレポートは、競合クリニックに覆面調査を実施します。
その内容の一部としては、院長の年齢や専門、出身は当然の事、承継者の確認、待合のキャパシティ、平均外来数、専門医の招聘体制、導入医療機器についてなど、たくさんのチェック項目を確認することで、一般的なカウント式ではなく競合医院との力関係をスコア化して捉えます。
外来予測数という定義付けられた計算式の数値結果だけで判断するのではなく、競合医院の存在を意識しながらどう戦略を練っていけるかどうかです。
ご自身の医療スタイルが競合医院との差別化を図れるかどうか、また競合医院との共存を図れるかどうかを検討することが重要です。そして、地域住民から選ばれるにはどうしたら良いのかを導いてくれるのが、診療圏調査の本来の意義です。
先生方は、患者さんの体調具合、検査数値や臓器の状況、QOLなどを総体的にとらえ治療方針を決めていくのと同様に、開業にもエビデンスが必要です。
それには、緻密で詳細なフィールド(現地)調査は欠かせません。